読書記録:『「AV女優」の社会学』でAV女優が少しみえてきました。
いつもよりちょっと早く帰れたのと、週末に買ったチョコがおいしくて幸せ。
さて今日は、実は隠れ読書好きなひまみが最近読んだ本を紹介します。
それがこちら
「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか
著:鈴木 涼美 出版:青土社 出版年:2013年7月
本屋さんの社会学の書籍コーナーで出会い、タイトルに惹かれて購入しました。
「AV女優」って言葉はメジャーだけどやっぱりアンダーグラウンドな世界で、そこを社会学的に視る、ということに興味を覚えたのです。
実はひまみ大学時代は社会学を学んでいました。
学んだはずの難しい理論の話はハッピー大学生活で溶けて大方忘れちゃったけど、社会学の学問書を読むのは結構好きで社会人になった今も時々本屋さんで社会学コーナーにいっては買ったりしてるのです。
そんな風にしてで巡り合ったこの本ですが、一言で言うと面白かったです!
ただ単純な読書としては読みづらさはあります。難しい理論や言葉はあまり出てきませんが、論文感のある文章のお固さと構成が単調な感じを受けてしまいます。
でもまあ、論文だし、事実を変に大げさにしたり飾ったりせずに、まま伝えてくれてる故だな~とは思うので個人的にはよかったです。
※以下、本のネタバレを含みます
著者は鈴木 涼美さんで、慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程を修了の高学歴社会学者です。で、ここまでは学者さんにありがちな感じですが、実はこの方ご自身がAV女優だった経験があるんです。卒業後は日本経済新聞社で記者をしていたそうですが、2014年に退社。現在は社会学者として多方面でご活躍中です。鈴木涼美 - Wikipedia
現在もばりばりで、Twitterもやってました。フォローしました。
34歳ってまじか。若い。とても美しい…。
私はこの本についてブログを書こう!と鈴木涼美さんの名前をググるまで、AV女優経験があることは知らなかったです。どうやってこのどっぷり中に入った観察とインタビューができたんだろう…と不思議でしたがそういうことかー。
内容をおおまかにいうと、『「AV女優」達は、「AV女優」になった理由をどのように自分自身で解釈し、どのように、どんな意識でそれを周囲に語るのか』を詳細な観察とインタビューから解きほぐしていくというものです。社会学っぽ~い。
社会学をかじる人たちはこんな風に、語られた物事の事実よりも、「なぜ」「この人が」「このように」「いつ」「語ったのか」と言った「語られた内容」を重視する傾向にあるな~と思います。
そしてそこそこ真面目に学問に取り組む系学生だった私自身も、日常からこれを意識して生活するのが染みついてんな~と思います。これを意識するとけっこう、人への怒りとか不満とかが抑えられるのでお勧めです。(笑)
ここで述べられている内容のひとつに、「AV女優は人前でAV女優になった動機を語る機会が非常に多い」というものがあります。
例えば、AV出演するためのメーカーとの面接、AVのストーリーに組み込まれたAV女優へのインタビュー、アダルト雑誌のインタビューなど。
ストーリーに組み込まれた…ってのは、みなさんが見てるAVの中にも、女優にインタビューして、おっぱい大きいね~脱いでみて~、みたいな、そんで脱がせて~みたいな流れになってるやつありますよね、あれですあれ。
あれ、お前なんかAVに詳しくない?って?
そ、そんなことない、常識の範囲内です(どんっ)!
これ読んでああ、確かにAV女優さんって「なんでAV女優になったの!?」って耳タコなくらい言われてそうだな…と思いました。
そんで、そんな機会がめちゃめちゃ多いわけだから、もともとはお金欲しいな~とかなんとなーく、みたいな気持ちで入った業界だけど、徐々に自分自身が「どうしてAV女優になったんだろう?」「どうしてAV女優という仕事を続けるんだろう?」という問いをして、答えを獲得していくみたいなことを鈴木さんは仰っています。ふむふむ。
AV女優!っていうと素人的には「すごくエロい」とか「すごくお金に困っていた」みたいなちょっと一般人とは一線を画した理由があるんじゃないか、とか思ってしまいそうだけど、そうではない場合も多々あるんだろうな~。
確かに何かを始めるきっかけなんて結構単純で、「ノリ」とか「タイミング」みたいなもんだったりするのよね。自分のバイトを始めたきっかけなんて覚えてないもんなあ。
お金が欲しかったから、とかは言えるけど、「なぜその居酒屋を選んだんですか??」とか言われてもえーーーっと…ってなるわ。
ただ一方で、おそらく20代らへんは特に、就職の動機なんかはある程度覚えてるよね。
面接でさんざん「御社を志望する理由は~…」みたいなこと言ったもんね。
でも半分くらい自分でも6割増し☆くらいに思ってたから内面に動機を取り込むところまではできてないかな。人によるだろうけど。
この本はAV業界をありのままを淡々と、リアルにみせてくれる本です。
鈴木さん自身が本のなかで仰っていますが、売春論争とか、よく言われるような「虐げられている」AV女優像を映し出すものではない、ありのままのAVの世界。
ありのまますぎて、物足りなさを感じる方もいるかもしれませんね。
ただそれはやっぱり鈴木さん自身がAV業界に身を置いていたからこそ語ることのできる内容で、AV女優と業界に対するリスペクトを感じます。
AV女優が自分自身と周囲とでつくりあげる「AV女優」という姿・世界をこの本で知れば、その存在が以外にも近くにいることを感じることができる、もっと自分自身の視点を広く持つことができるのではないかしら、と思いました。
以上!読書記録ってむずかしいな~。
いきなり学問書っぽいもの紹介してしまいましたが、普通に小説も読みます!
自己啓発本とかも実は好きです!なのでいろんなジャンルの紹介したいなと思います。
ほんとに以上!